「クラウドは?」
「いつものところよ」
「僕も行きたかったなー」
「だめ。今日は特別なの」
「誕生日だから?」
「そう、クラウドのね」
「何で?自分の誕生日なのに」
「…祝って貰いたいんじゃないかな?」
「誰に?」
「大切な人」
「ええ?」
「ふふっ」























「…お前より、年上になってしまったな」


4つも年下だったのに。
ずっともどかしかった差を、もう追い越してしまった。
もう、あれから4年も経ってしまった。














『クラウド、お前誕生日いつ?』

『……今日』

『はぁ!?ちょ、何で早く言わねえんだよ!』

『別に、聞かれてないし…』

『そりゃ聞いてねえけど…って、いや、まあそれは仕方ないとして、とにかく祝おう!』

『いいよ、気使ってくれなくても』

『気使うとか使わないとかじゃなくて、俺が祝いたいんだって』

『…好きに、すれば?』

『おーするする!んじゃあとりあえず〜』

『ザックス』

『ん?』

『…あ…、その…』

『あ、なあクラウド』

『…?』

『お前の誕生日、毎年俺と祝おうな』




約束、な?




『…っ……うん、』

『よし!っとそうだ、クラウド――――














――――あの約束をしてから、4年。
実験体として忌まわしい細胞を打たれ。
約束は、叶わなかったけど。
それでも4年間のあの日は、お前と一緒だった。


だが自由の代償故、以降迎えることは二度と。
出来なかった。


何度も、生を恨んだ。
俺がニブルヘイムで既に絶えていれば、お前は1人で生き延びられた筈だと思うと。
生まれてきた意味すらも。
俺には必要のないものだったんじゃないかって。


自由の代償を払うのは、俺だけで良かったのに。
お前が俺の分まで、背負わずとも良かったのに。
お前が、俺の生きた証となれば。
本当にそれが。


ただそれだけが、本望だったのに。


そうなれなかったことすら、俺は恨んで。
どうしてお前がそうする必要があったのかすら。
今までお前が俺のためにしてくれたことさえ。





でも。
でもお前と過ごした時間を恨んだことはない。


お前が居たから、俺は生きていられた。
お前と共に、生きていられた。


今はただそれが、全ての救いになってくれている。
だから――――


ずっと、言えなかった言葉。
ずっと、口にする資格なんてないと思ってた言葉。
今なら、言っても。
いいかな。














『クラウド――――誕生日、おめでとう』





お前の声。
温もり。
存在全て。


今も、俺に響いてるよ。





――――ありがとう」























2009/08/09
同い年にするか年上にするか凄い悩んだ結果、年上で!(経過年数怪しいけど…爆)
誕生日おめでとークラウド…!
初ザックラ、こんなでサーセン!

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