cloud smiles 〜 ep.1
俯く金髪が風に小さく揺れる。
座り、抱えるように体を少し丸めている所為か、体が小さく見える。
「
―――闇が、怖いのか」
そう問うと、クラウドは少し頭を上げ、ウォーリアの名を呼んだ。
表情は見えない。
呼んだ声色も沈んでいた。
元々声色が多彩な方ではないが、それでも明らかに分かるほど蝕んでいるのだ。
クラウドの中にある、闇が。
「臆することはない、誰もが持っているものだ」
そう、誰しも闇を抱えている。
抱えていないものなど居ない。
ただ、光が強いだけなのだ。
それ故に闇との均衡を保っていられる。
だが。
「…でも、俺は」
クラウドは否定する。
人よりも濃い闇を抱えて、臆せずにはいられないと。
「俺の闇は、消えないんだ」
この細胞がある限り。
奴の細胞が俺として生き続ける限り。
その言葉を噛み締めるように、己の前に差し出し力を込めて握られた手が、とても痛々しく見えた。
「…ならば、微笑ってみるといい」
「微笑、う?」
少し驚いて返された声。
無理もない、少し前までの自分なら、絶対に言わない言葉だ。
「そうすれば少しは気が紛れるかもしれない」
そして無縁な言葉だった。
気を紛らわすなど、簡単に出来るわけない。
ましてや、ただ微笑うなど。
だが
―――。
「…アンタが、そんなこと言うなんてな」
「意外か?」
「ああ」
同意された声には、穏やかさが戻りつつあった。
「…でも、」
そして俯いていた表情と、心を上げて。
「ありがとう」
微笑った。
クラウド。
私からもその言葉を贈ろう。
そうやって微笑ってくれるだけで、私たちに
―――私に、光を灯すのだから。
2009/08/03
色々…ないっすね…w
ちなみに現時点で1のストーリーやってません←
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