ハレルヤ、マリー。
ロックオン、マリー、ティエリア。
ハレルヤ、マリー、ロックオン、ハレルヤ。
刹那。
1/10
ふと、思い出した。
刹那が来たばかりの頃、彼は訓練の重力に耐え切れず、吐くことが多々あった。
先に訓練を行っていた僕たちは多少慣れはしていたものの、当初は彼と同じく吐いていたものだ。
だから恥ずべきことではないし、辛いと多少の本音は口にしたところで誰も咎めたりはしない。
誰だって最初は通るべきところであるから、吐かないことの方がおかしいと思うくらいだ。
むしろ自分は気遣う声を掛けられると、何処か少し安堵したものだった。
だから僕は声を掛けた。
大丈夫?
すると彼は。
平気、だ。
そう返した。
大丈夫という問いに、平気だと。
彼にとって、大丈夫という意識は存在しないのかもしれない。
平気か平気じゃないか、その二択でしか。
そしてその答えはきっと必ず決まっていて、いつも同じ。
彼は、そういう生き方をしてきたんだと、感じた。
何処か。
自分に少し、似ているんだと。
ある日。
ハレルヤに言われた言葉に、自分の存在意識が薄れそうな時。
彼は僕に声を掛けてきた。
いつか僕がしたように。
大丈夫か。
と。
大丈夫じゃなかった。
今にでもうずくまってしまいそうだった。
言葉が重くて、心が痛くて。
でも。
…平気、だよ。
口を出たのは、以前彼が返した言葉と同じものだった。
彼の真似をしたわけじゃない。
彼なら言ってくれると信じていたからだ。
…そうか。
と。
以前僕がそう返したように。
だから、4年後。
君が再び目の前に現れて、大丈夫かと問うて来たら、僕はまた答えるだろう。
「大丈夫か」
「…平気、だよ。…刹那」
何故だろう。
僕の中で君が占める割合は高々1/10程度でしかないのに。
思い出してしまったんだ。
08/10/19
1/10って多いかなと思いつつ、これくらいはあって欲しいなという願望。
ちなみに話の元は、
そんな仲良くなかった人のことって、時々ふとあんなことあったなぁと思い出してしまうよね…
という自論から。
大丈夫?平気。のやり取りは、ロックオンだと色々世話焼きそうだし、ティエだと声掛けなさそう…
ということでのアレルヤです。
更に時期が時期でアレルヤ助ける前じゃないと出来ないネタ…。
もうちょっと言葉を加えたかったけど、たまに短いのも有りでしょう…!
拙いけど身内に捧ぐ。
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